今年、NFTが大きな話題となっています。CryptoPunksは依然として人気を保ち、キャラクターNFTのLootが急成長を遂げました。Lootは8月28日にTwitterで正式にローンチされました。このプロジェクトはどれほど人気があるのでしょうか？源渓創投の共同創業者であるBo Fengは35 ETHでLoot#1288を購入し、イーサリアムの共同創設者であるVitalik ButerinもゲームインフラとしてのLootを称賛しました。DappRadarのデータによると、過去2週間でLootの取引高は2億3000万ドルを超え、日次取引高はBoring Apeを上回りました。

では、Lootとは何でしょうか？なぜこれほど人気があるのでしょうか？9月3日、Lootのフロア価格は18.88 ETHでピークを迎えました。それまでLootは急上昇を続けていましたが、9月4日以降、価格は急落しました。9月14日時点で、Lootは4.68 ETHまで下落し、75%の下落となりました。なぜこのようなことが起きたのでしょうか？

01 Lootとは何か？

Lootの公式ウェブサイトから例を見てみましょう：

上記が公式ウェブサイトに掲載されているLoot#1337です。8行の文字？これだけなのでしょうか？

その通りです。Lootはまさに8行のテキストです。公式にリリースされたLoot NFTは8,000個あり、そのうち223個はLoot開発者によって保有され、残りは無料で配布されました。公式ウェブサイトの紹介文は2行程度しかありません：「Lootはブロックチェーン上で生成・保存されたランダムな冒険者の装備です。ステータス、画像、その他の機能は意図的に省略され、他者の解釈に委ねられています。Lootは自由に使用することができます。」デザインもストーリーもない、このシンプルなテキストが1つ4～5 ETH（わずか1週間前までは、フロア価格は10 ETH以上でした）もの価値があります。NFTの急速な富の創出能力に、再び誰もが驚かされました。

02 なぜこの8行のテキストがこれほど高価で人気があるのか？

主に3つの説明があります：

1) Lootは新しいNFTのパラダイムを作り出した。

Lootのローンチ直後、イーサリアムの共同創設者であるVitalik Buterinは、Lootについて洞察に満ちたコメントを発表しました：「@lootprojectの哲学は正しいと思います：誰かが作り出したものは全て'存在'し、重要なのは他の人々がそれをどの程度発展させるかということです。」Lootは完全にオープンです。アーティストも最終的な構築を行うコア開発者もいません。8行の言葉は、Lootがクリプトコミュニティに提供するレンガや木材のような建材です。これらの基本要素を活用して、ユーザーは小説、映画、ゲームなど、好きなものを作ることができます。Lootは全く新しい協力の形を生み出しました。個人や組織は、Lootのフレームワークの下で独自のストーリーを展開し、NFTを作成することができます。これにより、Lootはブロックチェーンの分散化をより良く表現するものとなっています。そのため、新しいNFTのパラダイム、NFTのインフラストラクチャー、NFTのイーサリアムと見なされています。

2) Lootはボトムアップ型のNFTである。

Lootが登場する以前、トレンドのNFTは組織的なものでした。つまり、NFTプロジェクトが話題になる前に、必ず企画、デザイン、ローンチを主導する組織が存在していました。これらの組織（例：Bored Ape Yacht Club）の中には、NFTプロジェクトの人気を維持するために、プロモーション、メンテナンス、コミュニティ構築にも参加するものもありました。要するに、他のNFTの人気を支えるメカニズムはトップダウン型であり、そのため、まず第一に、ローンチのタイミングとイノベーションによって評価されていました。このようなJPG NFTはコンテンツが乏しいため、ほとんどのユーザーはアイコンとしてしか使用できず、単なる娯楽のために多額の費用を支払っていました。

一方、Lootは全く異なります。NFTは白黒のテキストのみで、制作やデザインは一切ありませんが、よりシンプルであるがゆえに、より多くの想像の余地を残しています。テキストで提供される装備を通じて、ユーザーは好きなものを革新し、創造することができます。Lootのメカニズムは完全にボトムアップ型です。将来的に、この新しいNFTパラダイムは、より多くの創造性とコンテンツを生み出す可能性があります。注目すべきは、Lootの将来的な価値がコミュニティの創造的な努力に依存しているという点で、これは従来のNFT評価とは大きく異なります。

3) Lootはメタバースの汎用資産となる可能性がある。

プログラム可能で完全にオープンなLootは、他のプロトコルと統合することができ、プロトコル間の独立性を可能にします。想像してみてください：Lootでプログラムされた「指輪」が、あるチェーンから別のチェーンへ移動できるのです。これは驚くべきことではないでしょうか？クリプトコミュニティでは、他のトークンとの変換をサポートするステーブルコインでさえヒットしているのですから、メタバースの汎用資産となればなおさらです。

これがLootが瞬く間に大きな話題となった理由です。

03 Lootに投資すべきか？

Lootがこれほど想像力に富んでいるなら、このプロジェクトに投資すべきでしょうか？何か欠点はあるのでしょうか？

Lootの最も致命的な欠点は、直接的な利害関係者が少ないことです。Lootは合計8,000個あり、そのうち223個はLoot開発者が保有しています。つまり、総供給量は7,777個で、直接的な利害関係者は7,777人しかいません。発行時、Lootはエコシステムの構築のためにより多くのユーザーを引き付けるインセンティブメカニズムを作成しませんでした。7,777人のユーザーだけでは、多くのものを構築することはできません。さらに、多くのユーザーが複数のLoot NFTを所有しているため、ユーザーの総数はその数字に達することは難しいでしょう。より多くの利害関係者を引き付けるため、Lootの共同創設者であるWill PapperはLootをベースとしたERC20トークンであるAGLDを立ち上げ、総供給量は8,000万としました。初期のLoot参加者は、10,000 AGLDの無条件のエアドロップを受け取ることができ、これはガバナンス、将来のゲームスコア、またはLootprojectミントの作成などに使用できます。

さらに、9月4日、Lootの創設者DomはTwitterで新しいプロジェクトMore Loot（MLoot）を発表しました。MLootは元のLootと同じルールに従います。#8001から始まり、MLootの供給量は大幅に多く、年間発行量は250,000で、上限は約131.6万です。MLootの導入により、Lootの希少性は低下しました。MLootがローンチされた翌日、Loot価格は約20%のフラッシュクラッシュを経験しました。一部のLoot保有者は退出し、保有分をすべて売却しました。これが、ローンチ以来上昇を続けていたLoot価格が9月4日以降急落した理由です。このため、Lootに投資すべきかどうかを判断するのは難しいところです。Lootは2週間前に生まれたばかりで、明らかに想像力に富み、有望ですが、プロジェクトが非常にプリミティブであるため、いつでも衰退する可能性があります。さらに、開発者チームが採用した特定の措置（MLootの導入など）もプロジェクトに大きなリスクをもたらしています。したがって、投資する前によく考える必要があります。